第九章 霊媒師 弥生ー1

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僕は大福を覗き込む……どうだろう? 意識は戻るだろうか……? …… ………… ……………… うな? うなぁ? うっなぁーん 「大福ーーーー!! 生き返ったーーーー!!」 いや死んでるよ? と、いう外野の声は置いといて、僕のかわいい大福はパチッと目を開け、膝の上で伸びをした。 そしてクネクネ身を捩り、急所であるお腹を丸出しにしたまま僕の顔を見詰めている。 ああ……戻って来てくれた……! 僕は思わず大福を抱き締めた。 「良かったーーーー! 目が覚めた! 弥生さん、本当にありがとうございます!」 「いいんだよ。アタシはなんにもしてないわ。言霊で元気にしてあげたのはエイミーちゃんでしょう? 良かったね!」 そう言って僕の肩をバシバシと叩き、大福の顔を覗きこんで笑った弥生さん。 28才だとしれっとサバをよんだ38才。 これが僕と弥生さんのファーストコンタクトだった。
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