第九章 霊媒師 弥生ー1

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さっきまで激しくマシンガンの打ち合いをしてたのに、今ではすっかり意気投合。 この2人って似てるかも。 エースなんて絶対無理だけど、せめて他の霊媒師の足を引っ張らないくらいにはなりたい。 今日は弥生さんもいる、色々教えてもらえるチャンスだ! 「あの、弥生さん」 「ん? なぁに? 質問?」 「はい。あのですね、先週社長に習ったんです。個々の霊媒師によって同じ霊でも視え方が違うって。社長の場合は姿はハッキリ視えるけど、陽炎のような揺らめきが霊体を包んでいるって聞きました。その揺らめきがあるかないか生者と区別するとも。弥生さんの目にはどんなふうに視えているんですか?」 「アタシ? アタシはねぇ、姿はハッキリ視えるんだ、欠損部分もなく完全にね。だけど誠が言うような揺らめきってのはアタシには視えない」 「じゃあ、僕と大体一緒なんでしょうか?」 「いや、大きく違う所があるわ。アタシの目に映る霊はね、色がないの」 「色がない?」 「そう、白と黒だけ。だから街を歩いててもすぐにわかるよ」 「そうなんですか! いいですね、それってわかりやすい!」 「うん、結構便利。さらに言っちゃうとね、その霊の悪霊度が増すほど黒の割合が高くなるんだ。怨み辛みが強いゴリッゴリの悪霊だと白い部分が全然なくて、もう全身真っ黒なわけ。そんなの視るとさ、うは! コイツなに全身タイツなんか着ちゃってんの? って笑いそうになるんだけど、そこで笑うと悪霊も怒るから極力ガマンしてる。でも深夜に視ちゃうとダメ! 夜中のテンションで笑いの沸点下がるから、タイツ野郎キターーーーって爆笑しちゃうんだよ! あははははは」 うわぁ……デリカシーがないというか、怖いもの知らずというか……。 とりあえず弥生さんと田所さん会わせなくて良かったぁ。
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