第九章 霊媒師 弥生ー1

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「そ、そうなんですね。でも怖くないんですか? 悪霊相手に爆笑したら逆上して襲ってこないですか?」 「来るよぉ! もぉガチギレ! さすがにヤバッ! って思うけど、笑っちゃうもんは仕方ないじゃん。そういう時は素直にあやまるよ? 走って逃げながらだけどねー」 「謝罪としてはサイアクだな……って、いや、なんでもないです。で、どうなんです?それで許してもらえるんですか?」 「あははは! 100パー許してもらえない!」 「ですよねぇ……」 「ま、いざとなったら霊力技(ちからわざ)で霊を縛って、笑って悪かった! 許して! ついでに成仏もしちゃってよ! って説得するから大丈夫!」 「はぁ……なるほど、ですね……」 僕は研修ノートを広げたまま、なにもメモを取れずにいた。 だって……”全身タイツ野郎”とか”深夜に視ると大爆笑”とかメモを取るべきか否か判断がつかないじゃないか。(ウソ、ホントは判断ついてる。書かなくていいヤツだ、コレ) だけど、それでもやっぱり僕は弥生さんの話に夢中になった。 だって、社長が言ってたように、霊媒師によって視え方や霊力(ちから)が違うって話を、今まさにリアルな話を聞かせてもらっているのだ。 弥生さんの話に呆れたり驚いたり感心したり…… 本当に人それぞれなんだな……あぁ、もっと聞きたい!
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