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「エイミー、この短期間でよくやったな! 第一段階は合格だ!」
「ありがとうございます、社長のおかげです!」
「エイミーの立ってる場所から先代まで……大体1mくらいかな? 今の段階ではこれが最大飛距離だろう。これから少しずつこの飛距離を伸ばしていこう。2m、3m、と伸ばしていって最終的には100mくらいまでいければ、“幽霊”と“生きた人間”との切り分けだけじゃなく、応用でほかの術に生かす事ができる」
「ほかの術にも?」
「そう、例えば結界だ。一般的な結界は幽霊を弾いて立ち入りさせないようにするのもだけど、これにエイミーの電気を編み込めば、幽霊が感知圏内に入り込んだ時に赤く光るようにもできる。セキュリティシステムっぽい感じでさ」
「なるほど」
「ほかにも応用できる事はたくさんあるぞ! マスターすればエイミーのスキルアップに繋がるし、給料だって上がるかもしれない。だから気合で頑張っていこうな!」
「はいっ!」
お給料があがるかも__
僕はちょっと嬉しくなった。
前の会社では『お客様相談センター』に配置換えされて、主任なんて任されたはいいけれど、役職付きは残業代が出ないとか責任ばかりが大きくてその見返りは少なかった。
なのに頑張ればお給料が上がる可能性があるなんて言われたら、やっぱり素直に嬉しくなってしまう。
「だからな、エイミー。こないだ俺が教えた“放電能力を高める言霊”、アレをまた、プッ! 使え! いいな! ププーッ!」
社長……すでに笑ってるじゃないですか。
もう騙されませんよ。
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