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亀裂の走る階段を1段、また1段と上がる。
ゴミをよけながら半分くらい登ったところで、
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
『出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
『た、た、助けてぇぇぇぇ!!』
野太い悲鳴が重なるように響いてきた……!
方向は2階から、続いてドタドタと慌てたような足音と、ドスンと何か落ちたような音。
「弥生、エイミー、今の聞こえたか?」
数段先の社長がくるりと後ろを振り返った。
まぶしっ!!
僕はビカーっと光るライトに目をやられながらウンウンと頷いた。
弥生さんも目元を手でかざしながら頷いている。
『こっちに来るなぁぁぁぁぁ!!』
『や、やめてくれぇぇぇぇぇ!!』
『ごめんなさぃぃぃぃぃぃぃ!!』
さらに聞こえる怯えた悲鳴。
一刻を争う空気に緊張が走る。
「行くぞ!」
社長の短い合図と共に僕らは階段を駆け上がっていった。
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