第九章 霊媒師 弥生ー2

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亀裂の走る階段を1段、また1段と上がる。 ゴミをよけながら半分くらい登ったところで、 『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』 『出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』 『た、た、助けてぇぇぇぇ!!』 野太い悲鳴が重なるように響いてきた……! 方向は2階から、続いてドタドタと慌てたような足音と、ドスンと何か落ちたような音。 「弥生、エイミー、今の聞こえたか?」 数段先の社長がくるりと後ろを振り返った。 まぶしっ!! 僕はビカーっと光るライトに目をやられながらウンウンと頷いた。 弥生さんも目元を手でかざしながら頷いている。 『こっちに来るなぁぁぁぁぁ!!』 『や、やめてくれぇぇぇぇぇ!!』 『ごめんなさぃぃぃぃぃぃぃ!!』 さらに聞こえる怯えた悲鳴。 一刻を争う空気に緊張が走る。 「行くぞ!」 社長の短い合図と共に僕らは階段を駆け上がっていった。
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