2367人が本棚に入れています
本棚に追加
◆
階段を上がり、2階のフロアに着いた。
右! 左! と首を振り、悲鳴の元を探る、と、左側前方から新たな悲鳴と、青白い光が廃墟の床に転がっているのが見えた。
「社長! あれ見てください! 床で光ってるのってスマホじゃないですか!?」
僕の指した方向を社長と弥生さんが見る。
「そうみたいだな、声もあっちの方向から聞こえるし行ってみるか!」
1階同様、2階もゴミと瓦礫で足元が悪い。
僕らはそれでも、小走りに青白い光と悲鳴の元へ急いだ。
「悪かった……! 俺らが悪かったから……」
「許してください……」
「あ、謝りますから……どうか……」
震える声で懇願する男達の声が近くはっきりと聞こえてきた、もう近いはずだ。
僕は途中、点灯したまま転がっているスマホを拾い、社長と弥生さんの後に続いた。
2階は入院フロアになっているらしく廊下を挟んで各部屋のドアが並ぶ。
その中の1部屋。
全開になった横開きの扉、その室内に彼らはいた。
最初に部屋に飛び込んだのは、格闘系霊媒師、斬りこみ隊長でもある社長だった。
「助けに来たぞ! おまえら大丈夫か!?」
耳にビリつくデカイ声に、若い男の三人組が一斉にこちらを向く、そして、
「「「まぶしっ!!」」」
ですよねぇ、もう本当に社長のライトがすみません。
腰を抜かしているのか、床にへたり込む若者3人は、眩しいLEDをもろに受け、目をシパシパさせながら、「誰!?」「味方!?」「助けて!?」と、自由に動く手だけをバタバタさせていた。
最初のコメントを投稿しよう!