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「いやぁぁぁぁぁぁ!! って、社長! なにするんですか!!」
「いや、オマエずっと霊ばっか視てるからさ。声掛けるより突っついた方が確実かなって。そんなことより、あのオバチャン。なんかキャラ変わった? 恨めしかったんじゃねぇの? いきなりニタァって笑いだしてよ、思いだし笑いか?」
と、一応霊に気を使っているのか、コソコソと小声で耳打ちされた。
「……てか、社長。なんていうか、その、あの笑い方は思い出し笑いとかそんなんじゃないと思いますよ? どっちかっていうと、悪霊として『ここからが本番です』っていう不敵な笑みだと思いますが。というか気になるトコってそこですか?もっとあるでしょ? ほら! 良く見て! 霊の目! ぐるんぐるん回ってるでしょ? 生者の動きじゃないでしょ? あれ視て、怖ッ! とか、気持ち悪ッ! とか、なんかないんですか?」
「あぁ? 目ぇ? ん?……あぁ!!」
「遅っ!」
「あはははは! ワリィ、ワリィ、ぜんぜん気が付かなかった!」
そうガハガハと笑う社長はさらに、
「ホラ、あのオバチャン、目ぇ小せぇじゃん? あの極小面積内でなんかしてても誰もわからねぇんじゃねぇの? この中暗いし。つか、エイミーよく気付いたな!」
ああ、ちょっと!社長!
今の発言こそ気を使って小声でしゃべってください。
幽霊とはいえ女性の容姿に対してその言い方は失礼だし、今の時代セクハラで訴えられます。
焦った僕は、チラリと霊を視た。
怖いとか気持ち悪いとか言ってる場合じゃない。
下手したら訴えられる内容だ。
幽霊だから訴えられない?
いやいや、そういう問題じゃないぞ。
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