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あろう事かウチのトップは、霊の熱視線を真っ向から受け止め、ジャケットを脱ぎ捨てると筋骨隆々の巨体をリズミカルに揺らし、散乱する瓦礫を足で一掃させると、激しいステップを踏み始めた!
「しゃ、社長!なにやってんですか!?」
狼狽える僕に、社長は背を向けたままこう言った。
「あぁ? 決まってんだろ? ダンスバトルだ! アイツがさっきからカマンッ! カマンッ! ってバトルを挑んできてる! あんだけ挑発されて同じダンサーとして逃げる訳にはいかねぇ!」
同じダンサァ!?
誰がですかぁぁ!?
社長は霊媒師でしょぉぉぉ!?
いつからダンサーになったんですかぁぁぁ!?
「ハッ! エイミーの言いてぇ事はわかってる! 俺がストリートを引退して何年たったんだ? あの頃みてぇに踊れるのか? って、言いてぇんだろ?」
まてまてまてまて!
社長がストリートダンサーだったなんて初耳なんですけどぉぉ?
そんなこと一切聞いたことないんですけどぉぉ?
「けど引けねぇよっ! アイツの目ぇ視ただろ?」
視た! 視た! 視ましたけど、言ってる意味がわからないぃ!!
「あれは絶対的な自信を持った目だ! テメェのダンスにプライドを持ってる……! ポールダンスとブレイキン、立つ舞台は違っても挑まれたら受けるしかねぇだろ!」
えっと落ち着け僕!
よくわかんないけど社長の専攻はブレイキン? だったってことでOK?
ブレイキンってブレイクダンス?
ああ、もう!ダンスの種類はどうだっていいや!どうせ説明されてもわからないし!
そんな事より、社長は本気だ……!
ダンスバトルを受ける気だ……!
てか、今って“襲う”と“脅かす”の違いを体感的に説明されてたはずなのに、なんだってこんな事にーっ!
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