第四章  霊媒師研修-2

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「あの、社長も先代も、ありがとうございます」 僕の一言でフリーズする2人。 「「なにが?」」 うわあ、この2人息がピッタリだ。 「いや、その、色々とです。それと先代、さっきは僕、無神経な事を言いました。ごめんなさい」 さっきまで何をどう言ったらいいのか分からなかった僕なのに、するりと謝る事ができた。 「ん? 岡村君なんの事? 無神経なのは間違いなく清水君だよ? この子は新入社員で入ってきた時からずーーーっとこの調子でねぇ、まったく、本当に、若い子はこれだから……」 「へへっ、若い子だってよ!」 「社長、なに喜んでるんです? 僕も含めて30才オーバーは決して若くはありません。むしろオッサンだと思うのですが」 「なに!? 30オーバーはもうオッサン!? そうなのか……まぁ確かに20代の頃よりパワーは落ちたような気がするなぁ……」 えぇ!? ウソでしょ!? 素手でフライパン潰す人が、あれでパワーダウンしたっていうの? もう引くわ……スゴイとか感心する前に引くわ…… 「あー、ジジィが追いかけまわすから腹減ってきた。ちょっと早いけど、3人でカフェに行くか! そこで“幽霊とメシの関係”の講義してやるよ。口だけで説明すんの難しいから、その方がいいだろ」 ピピピピピピピピ__ 社長の話に割って柔らかな電子音が鳴った。 一瞬僕のスマホが鳴ったのかと焦ったけど、着信は社長の方だった。 「もしもし? あ? あー、あー、あー、マジで。あ、そう。うん、うん、うん、OKわかった! 心配すんな! その現場、かわりに俺が行くから、あ?  問題ねぇよ、俺1人じゃないから。前に言っただろ? そう、そうそう、期待の大型新人エイミーと一緒に行くから。おまえも気を付けろよ? じゃあな」
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