第四章  霊媒師研修-2

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現場? かわりに俺が行く? 期待の大型新人エイミーと一緒に? 期待は……されてるといいな、でもって大型……ではないです、新人ってのは当てはまる……って事は、やっぱり僕の事だよね? え? え? え? 通話を終えた社長がくるりとこちらに振り返る。 「エイミー、カフェはまた今度だ。今なウチの霊媒師から連絡がきてよ、依頼現場にどう頑張っても辿り着けないらしいんだ。うん、そうだ。おそらく霊に妨害されてる。だから代わりに俺らで現場行く事にした。場所は東京都H市のアパート、俺の車で行けば1時間もしないうちに着くだろう」 「えぇ!! 僕も現場に行くんですか!? 大丈夫でしょうか? 僕、社長の足引っ張らないでしょうか?」 「大丈夫、心配すんな。初現場でエイミーが舞い上がって失敗しようが、足引っ張ろうが、それを含めて俺がぜんぶなんとかしてやる。それに、どうせジジィも一緒に行くんだろうし」 「わ、わかりました。僕、社長の足を引っ張らないように、が、が、頑張りますので、よ、よろしくお願いします」 「ははっ! エイミー声が震えてんぞ? でも良く言った! それでこそ霊媒師見習いだ じゃあ行こうか!」 そう言って笑う社長の背中が大きく見えた。 入社一週間での現場入りなんて正直めっちゃ恐い。 社長の言う通り声も膝も震えてる。 だけど、社長が一緒ならなんとかしてもらえるかも……なんて思ってしまうのは、僕が更に社長に毒されたという事だろうか? とにかく今から始まる霊媒師OJT、たくさんの事を学ばなくては。 あーーーでも、やっぱり怖いーー! 頑張れ! 僕!
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