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「いやさ、単純に時間経ちすぎ。田所さんはともかく、婆さんは死んで1年、真さんは数か月だろ? そのくらいなら定期的に光る道が迎えに来るんだよ。だけど死んでから3年経過すると光る道も来なくなる。田所さんだって真さんと婆さんの迎えに便乗して向こうに逝ったんだしな」
「そんな……じゃあ、院長さん達はどうやって成仏しろと?」
「そんな時の為の俺達だ。というか、正確には弥生なんだけどな」
「弥生さん?」
「つか、これちゃんと通話できるかな」
ブツブツ言いながらインカムのボタンを操作する社長。
さっきからなにしてるんですか?
「……あ、弥生? こっちは全員話ついたからさ、すぐに来てくれ。ジジィ? ジジィはそのまま待機だ。こんな時間で肝試し野郎はもう来ねぇと思うけど念の為そこで見張ってろと伝えてくれ。もし誰か来たら追い返せとな。ああ、じゃあな。待ってるからよ」
「社長、今のは……?」
「ん?ああ、弥生に電話したんだ。すぐにこっちに来てもらう。LEDつかねぇから電話もダメかと思ったけど、繋がって良かった。つかエイミー! これすっげぇカッコイイだろ? 電話もできるヘッドライトだぜ!」
あ、そう言えば社長のヘッドライトって通話機能がついてるって自慢してたっけ。
「社長、弥生さんに来てもらってどうするんですか?」
「そっか、エイミーは弥生と会ったばっかだから知らねぇよな。アイツ、ただの口の悪い大酒飲みの年齢詐称ババァだと思ってただろ?確かにその通りだがそれだけじゃないんだ」
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