第九章 霊媒師 弥生ー2

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なにげにすごいディスりようなんですが、僕はそんなこと思ってませんって! 「弥生はな、ああ見えて“癒しの霊媒師”って呼ばれてるんだ。霊を癒し鎮めて黄泉の国へと送りだす。光る道の保証期間が終わったあとでも、弥生の霊力(ちから)で道を呼ぶことができるんだ。ま、俺だって1人や2人程度の道なら通すことはできるけど、なんせ15人分だからよ。それを得意としてる霊媒師にやってもらった方がいいだろ」 「15人分の光る道をたった1人で……すごいですね」 「ああ、すげぇだろ?口悪いけどな、大酒飲みだけどな、年齢詐称だけどな、ババァだけどな、んぷぷーっ!」 バァン!! 背後で乱暴に開けられたドアの音、そしてしゃがれた怒鳴り声がした。 「オィ! 誠ォ! 私の悪口が廊下まで聞こえてきたわっ!! このガキ締めんぞ! コラァ!!」 社長に向かってガキってすごいな! まぁ、弥生さんの方が年上だけども、悪いのは明らかに社長だけども。 そんな弥生さんに、院長と幽霊軍団のみなさんは半泣きで震えあがっている。 癒し系……?  霊媒師、弥生さんの再登場だった。
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