第九章 霊媒師 弥生ー2

53/72
前へ
/2550ページ
次へ
◆ 「誰が口が悪いだ? あぁ? 誰が大酒飲みだ? あぁ? 誰が年齢詐称だ? あぁん?」 ドカドカと瓦礫を蹴散らし社長に詰める弥生さん。 それに対して社長はと言うと、 「聞こえちゃったぁ? ごめーんね! んぷぷー! だけどよ、ぜんぶホントのコトだろ? 口が悪ぃのも、大酒飲みも、年齢詐称m、(ドゴッ!)ガハッ!」 え!? なに!?なにが起きたの!? 反省ゼロで弥生さんをちゃかしてた社長が胸を押さえて呻いてる。 「カハ……ッ……カハッ……!」 カッと目を見開いて、開いたままの口からは空気だけが不規則に吐き出され、両手で心臓を押さえてる。 ナニコレ怖い、社長は身体が動かないのか前かがみのまま硬直状態。 なんかさっき、ドコッ!て音がしたけど、まさか弥生さんが社長を殴ったのか? 後ろ姿の弥生さんの死角になって見えなかったけど…… 「ガハーーーッ!」 時間にして十数秒。 突如社長が息を吐きだし、 「弥生! おまえ、なんつーことすんだよ! 死ぬかと思ったじゃねぇか!」 涙目で心臓をドコドコ叩きながら弥生さんに悪態をついている。 えっと……これってやっぱり弥生さんがしたことなのか? 190cm越えのツルッパゲを? あんなに華奢で150cmあるかどうかくらいの弥生さんが……? いや、まさか、いくらなんでも……
/2550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2366人が本棚に入れています
本棚に追加