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「エクセレント! お姉さん、嬉しいわ。少年漫画はバイブルよね!」
『お姉さん!? 私が!? 冗談やめてよ! 私45よ? お姉さんだなんてそんな……』
生首看護師さん、40代くらいかなと思ってたけど45才だったんだ。
でもって慌てた様子で否定してるけど、“お姉さん”というワードにちょっと嬉しそう。
そんな生首看護師さんにチッチと人差し指を左右に振って、
「45才? ならやっぱりお姉さんじゃない。いい?ウチの前社長も言ってるけど、女は40才でようやく少女卒業なの。成人式は40で! 女の年は申告制! アタシ? アタシはあと2年したら振袖を買いにいくとだけ言っておくわ!」
と、まぁ、ビシッと言いきった弥生さんに幽霊軍団の女性陣はかなりざわついていた。
『その計算でいくと私は成人前って事になるのかな?』→「30代は小娘よ!」
『50代もお姉さんでいいのかしら?』→「余裕でね!」
『婦長くらいでようやく大人の女ってこと?』→「オフコォォォス!」
呆気にとられる男性陣は(生者死者共に)みんな揃ってポカン顔。
弥生さんが怒声をあげて院長室に入ってきた時は、みんな半泣きで震えあがっていたというのに、幽霊軍団の女性陣の心はガッチリキャッチしたみたいだ。
みんなすごく笑ってる、なんか楽しそうだなぁ。
『あの……』
そんな中、小さな声で手を挙げたのは、廊下で会った30代くらいの男性看護師さんだ。
弥生さんは自分を囲む、女性陣の中から背伸びしながら「はい! そこの男子! 言ってみなさい!」と発言を許した、って、基本女王様気質なんだな、この人は。
『す、すみません、あの、女性の年は申告制……なんですよね? 男は……どうなんでしょう?』
「野郎? 野郎の年は……どうでもいいや。興味ねぇし」
半目でフッとため息をつきながら、本当にどうでもいいやって顔をする弥生さんに、
『えっ! すごい差別じゃないですか! 男の年は……うん、まぁ、たしかにどうでもいいんだけど、女の人達みんな楽しそうだから、その、男の僕らにもなにかないのかなぁって。ああ、でもゴメンナサイ!へんなこと言って! なんでもないです!』
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