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そう言って恥ずかしそうに『今のナシ!』と首を振る男性看護師の顔を、弥生さんはニヤニヤしながら覗き込む。
「なんだぁ? その他野郎共もなにか言ってほしいのか? そうなんだな? よし、わかった! まかせろ! いいかよく聞け! 女の年は申告制。なら野郎は? 野郎のサイz」
「それ言っちゃダメなやつぅぅぅ!!」
大先輩である弥生さんだけど、僕は彼女がナニを言わんとしたかを察し、寸前でその口を塞がせていただいた。
ダメだろ、それ完全に言っちゃダメなやつだろ!
「くっ! 離してエイミーちゃん!」
にゅるんと猫の仔のように僕から逃れた弥生さんは、30代看護師さんに向かって「言っちゃダメだってさ」と口を尖らせている。
『あ、あの、僕もそれ言ったらダメだと思います……』
「ん? んんん? なによ?あんた顔真っ赤じゃない! ってことはアタシがなにを言おうとしたかわかったんだ! あひゃひゃひゃひゃ! いいんだよ? 申告制だもの! アンタのはマグナムか? マグナムなのか?」
黙っていれば美人だろうに、弥生さんは下品に笑いながら男性看護師をからかっている。
ちょっと、弥生さん!彼、困ってるじゃないですか!いいかげんに____
『……です』
ん?なにか言った?
「なに?よく聞こえないけど?」
『……チャーです』
「ちゃー?」
『ですから、マグナムなんてもんじゃありません。グレネードランチャーです! ああ! 申告制とはいえこんなこと言っちゃって僕ったら……!』
マジ……か。
「ブハッ! マジで? そうなんだ! グレネードランチャーなんだ!
アンタけっこう言うじゃない! いろいろと見直したわ!」
女王様の見直した発言と、それを言わせたグレネードランチャーに、数瞬の間を置いて室内は大きな笑いに包まれた。
男性陣はともかく女性陣は引くかなと思ったけど……さすが手練れの女性達。
それしきの下ネタで怯む霊は誰ひとりいなかった(良かったー!)。
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