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え!
3人ってもしかして昨日の腰抜かしてた若者達の事!?
「弥生、オマエなにしてんだよ? なんでとっとと帰さなねぇんだ? しかも掃除させてたって……まったく、そんなんで怪我でもさせたら大問題だろうが!」
「だってぇ、アイツらのうちの1人がスマホがない! 廃病院に落としたのかもしれないから戻るって聞かないし、すぐに戻らせたら仕事のジャマになるじゃん。で、アタシが廃病院に呼ばれた後、なにかさせとかないと、勝手についてきちゃいそうだったしー」
「だからって待ってる間、暗い中瓦礫片付けさせなくてもいいだろ!」
「大丈夫よ! 暗い中ったって、車のライトで明るくしたし、なによりケガだけは気を付けろ、もしケガしたらブッ飛ばすって言っといたから!」
ケガしたらブッ飛ばすってもうメチャクチャだな、弥生さんは。
「そうか、ならしょうがねぇな」
え! 社長も社長でそれでいいの!?
結局のところ、若者3人が再び廃病院に戻る事はなく、失くしたはずのスマホは僕のポケットから発見された。
そういや昨日の晩、廃病院の2階のフロアで点灯したまま落ちていたスマホを見つけたのが僕で、彼らの悲鳴に急いで走った時、咄嗟にポケットに入れたのをすっかり忘れていたのだ。
「見つかって良かったじゃない!」
車で眠る3人を叩き起こした弥生さんが、スマホを渡しながら持ち主の彼をバシッと叩いた。
「ありがとうございます!」
けっこう強めに叩かれていたにもかかわらず、嬉しそうにお礼を言う若者がこう続けた。
「それで、あの、お祓いは終わったんですか?」
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