第九章 霊媒師 弥生ー2

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え! 3人ってもしかして昨日の腰抜かしてた若者達の事!? 「弥生、オマエなにしてんだよ? なんでとっとと帰さなねぇんだ? しかも掃除させてたって……まったく、そんなんで怪我でもさせたら大問題だろうが!」 「だってぇ、アイツらのうちの1人がスマホがない! 廃病院(なか)に落としたのかもしれないから戻るって聞かないし、すぐに戻らせたら仕事のジャマになるじゃん。で、アタシが廃病院(なか)に呼ばれた後、なにかさせとかないと、勝手についてきちゃいそうだったしー」 「だからって待ってる間、暗い中瓦礫片付けさせなくてもいいだろ!」 「大丈夫よ! 暗い中ったって、車のライトで明るくしたし、なによりケガだけは気を付けろ、もしケガしたらブッ飛ばすって言っといたから!」 ケガしたらブッ飛ばすってもうメチャクチャだな、弥生さんは。 「そうか、ならしょうがねぇな」 え! 社長も社長でそれでいいの!? 結局のところ、若者3人が再び廃病院に戻る事はなく、失くしたはずのスマホは僕のポケットから発見された。 そういや昨日の晩、廃病院の2階のフロアで点灯したまま落ちていたスマホを見つけたのが僕で、彼らの悲鳴に急いで走った時、咄嗟にポケットに入れたのをすっかり忘れていたのだ。 「見つかって良かったじゃない!」 車で眠る3人を叩き起こした弥生さんが、スマホを渡しながら持ち主の彼をバシッと叩いた。 「ありがとうございます!」 けっこう強めに叩かれていたにもかかわらず、嬉しそうにお礼を言う若者がこう続けた。 「それで、あの、お祓いは終わったんですか?」
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