第九章 霊媒師 弥生ー2

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むしろ喜ぶ、確かに……あの人達ならそうかもしれないな。 「……そっか、わかりました。確かにそのほうがいいかもしれないです。弥生さん、僕……困らせるようなこと言ってごめんなさい」 「いいよ、いいよ。そんなことよりさ! アタシおなかすいちゃった! 帰りにみんなでゴハン食べに行こうよ!」 「お、そうだな! 俺も腹減った! T市役所への報告は後にして、とりあえずメシ食いに行くか! ジジィも大福も一緒によ! この時間だとファミレスくらいしか開いてねぇだろうから、車で走って最初に見つけた店に入ろうぜ!」 メーシ! メーシ! と騒ぐ2人のあとを、先代と僕と大福とで追いかける。 若者3人が瓦礫を片付けただけあって、辺りはだいぶスッキリとキレイになっていた。 僕は最後に廃病院を振り返った。 今ではもう誰もいないこの建物は近いうちに取り壊さる。 今度はどんな姿に生まれ変わるのだろうか? 「エイミー!置いてくぞー!」 エンジンをかけた社長が、窓から身を乗り出して僕を呼んでいる。 「あっ! ちょっとー!  待ってくださーい!置いてかないでー!」 …… ………… ……………… 僕達は知っている。 ネットで騒がれた悪名高い幽霊達の正体を。 僕達だけが知っている。 本当は強くて優しい幽霊達(ひとたち)のことを。 大澤家のみなさん、 ながいあいだ本当におつかれさまでした。 どうぞ安らかに……とは言いません。 どうぞみなさんらしく賑やかに、極楽浄土を楽しんでくださいね。 またいつか会う日まで。 霊媒師―弥生____了
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