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「なるほど、先代の姿が視える人をスカウトか、懐かしい。僕もそうだったもんなぁ。 あ、ねぇ社長?それを言うならユリちゃん、彼女も霊力持ちですよねぇ?」
「んー、だろうなぁ」
「それこそユリちゃんを霊媒師にスカウトしないんですか?」
「そうなんだよなぁ。ユリを霊媒師に……とも思ったんだけどよ。それより今は事務員がほしいからなぁ。それによ、たぶん真さんが許さねぇだろ。ほら、霊媒師って場合によっては危険なこともあるし。ユリにそんな仕事させたら真さん、あの世からチェーンソー持って殴り込みに来そうじゃね?」
「……あぁ、確実に来ますね」
「なー。だからとりあえずは事務覚えてもらって、この先もしもユリの方から霊媒師になりたいって言ってきたら、その時改めて考えてもいいかなって」
「ですね……てか、もう、ユリちゃんが霊媒師になりたいって言ったとしても絶対に止めましょう。そうじゃないと僕ら……お爺さんにミンチにされちゃう!」
「あははは!ミンチか、あり得るな。ま、そうなったとしても俺はダイジョウブだけどな」
「もう!そんなこと言って!社長はダイジョウブでも僕は絶対勝てません!負ける自信があります!」
「オィオィ、負ける自信ってなんだよ。エイミーだって本気出せばなんとかなるんじゃねぇか?」
「ふっ、社長、見くびらないでくださいよ?たぶん僕この会社で最弱ですから」
僕の最弱宣言に「変な方向に自信持ってるな」と笑った社長は、
「ウチの霊媒師で、まだエイミーと会ったことないヤツが4人いる。そのうち会えばわかるけど……大丈夫だ!エイミーは最弱じゃねぇ、ナンバー2くらいの弱さだ!」
と、力強く親指を立てた。
え?僕より弱い人……?
それはぜびお会いしたい!
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