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おかしい……ガイにグランマの話なんかしたか?
してないよな……?
ただ……さっき、草むらでストロングの背中にいた時、なぜだか急にチャイルドだった頃のメモリーがよみがえってきた。
その時に少しだけグランマのことも思い出した……けど、思い出しただけで声には出していないはずだ。
それなのに……なんでいきなりガイの口からグランマの話が出るんだ?
「あぁ……悪い、あんたの過去を覗く気はなかったんだ。信じてくれ、わざとじゃない」
すまなそうな顔をしたストロングが俺にソーリーと言っている。
だけどなにに対してのソーリーなのかが解らない。
過去を覗くとは一体どういうことなんだ?
「ヘイ、ストロング。あんたなにファンタジーなことを言ってるんだ?過去を覗く?そんなことできるはずないだろう。確かに俺は、あんたの背中でグランマのことを思い出していたが……um……ahhh!もしかして俺!ひとり言でも言ってたか!?」
「いや、違う、違うんだ、そうじゃない。俺はあんたの過去を霊視したんだ」
「レイシ?なんのことだ?」
「……さっき、あんたをおんぶしていた時、あんたの小さかった頃の記憶が俺の中に流れ込んできた。小学……低学年くらいか?学校の裏の林でキーホルダーを探してたろ?亡くなった婆さんがくれたキーホルダー。探しても探しても見つからなくて、そのうち雨が降ってきて、あんたはとうとう泣き出しちまった。その時初めて甘い匂いを嗅いだんだ。婆さんが焼いてくれたクッキーの匂いによく似た甘い匂いをな」
「!…………その通りだ、ストロング……なんであの日のことを知ってる?……もしかして……それがレイシってやつなのか?そのレイシで過去を見たのか?ジーザス……!そんなミラクルすぎる!」
「ああ、そうだ。ミラクルなんて洒落たモンじゃねぇが、これが霊視だ。あんたの許可もなく勝手に視て悪かった。けど信じてくれ。あんたの過去を興味本位で覗いたんじゃない、流れてきたんだ。俺とあんた、おそらく波長が合うんだろうよ。車で走ってたら意図せずラジオの電波を拾っちまうみたいに、波長が合っちまったんだ」
「そんなことが……まさか……本当に……アンビリーバボー……」
俺はアリトルチキンスキンで、腕をゴシゴシと擦った。
ストロング……まるで占い師だ。
最近の便利屋は占いまでするのか……大変だな……
「視えたことは言わないつもりだった。気分のいいものじゃないからな、自分の過去を覗かれたなんてよ。本当に悪かった」
何度も謝るストロングガイに悪意なんて感じない。
レイシってモノがよくわからないが、きっとストロングにとっても想定外のことだったのだろう。
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