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「……いいよ、もういい、謝るな。そのレイシってヤツで、ガイは俺の過去を見たんだろうがノットアングリーだ、怒ってなんかいない。あんたは俺の恩人だ、過去だろうが未来だろうが好きなだけ見てくれ。ただ……俺の過去がもっとおもしろいモノなら良かったんだが、ツマラナイものを見せてしまってむしろソーリー。だから、な!気にするな!」
グッ!と親指を立て、ノープロブレムアピールをすると、硬かったストロングの表情が少しだけやわらいだ。
「……あんた変わってるな。自分の過去だぞ?それを勝手に視やがってとか、そんなことできるなんて気持ち悪いとか、そういうのないのか?」
「um……ないな!ガイは俺を助けてくれた恩人だ。俺の過去が見えたくらいノンプロだ。そんなことよりガイ、あんたスゴイスキルを持ってるんだな!」
「いや、ウチの会社じゃこれくらいは普通だよ。霊視ができなきゃ仕事にならん」
「wao!ガイのトコの社員はみんなレイシができるのか!失くし物を匂いで探してゴミ屋敷も片付ける、そのうえレイシまでしちまうなんて……今の便利屋はハイスキルすぎてびっくりだ!」
雑貨屋とはぜんぜん違う、便利屋ワークにワクワクドキドキが止まらない。
もっと話を聞かせてくれと、せがんだところでストロングがまさかなことを言い出した。
「便利屋!?……あー、えっとー鍵さん、なんか誤解してるな。俺、便利屋じゃないよ?」
「ホワッツ!ヘイ、ガイ!さっきワークは便利屋だって言ってなかったか?」
「そんなこと……あ!すまん!そういや言った!なんつーか、便利屋と似たようなモンだしよ、説明すんのがめんどっちいからテキトーこいたわ。俺は便利屋じゃねぇ、本当の仕事は霊媒師だ」
「レーバイシ?レーバイシ……?……ああ、ああ、アレね、アレだろ?……ヘイ、ガイ、ソーリー、今俺知ったかぶった。で、レーバイシとは?」
「そこからかぁ!まぁ、そーかー、そーだよなー。なあ、あんたホラー映画とか好きか?なんなら陰陽師モノでもいいが、見たことあるか?そこに出てくる霊能力者っているだろ?それが……」
とまあ、そこから救急車が到着するまで、霊媒師についてのレクチャーを受けたのだが……
ワーーーーーーーオ!!
そんなワーク初めて聞いたぜーーーー!!
ベリィファンタスティック!!
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