第十一章 霊媒師 キーマン

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キーマンさんはウェーブがかった髪をかきあげ目を細めると、懐かしそうに少しだけ笑い、続けた。 「ホスピタルのベッドでエブリデイエブリタイム、シンクした。俺のスリムなサラリー1ヶ月分丸々使ってプリティな雑貨をプレゼントしようか、それとも10万文字のサンクスレターを書こうか、それとも、それともってな」 10万文字の感謝の手紙って、もうそれ文庫本1冊じゃあないですか。 「This is it(これだ)!っていうナイスアイディアが浮かばないまま、いよいよトゥモロウが退院の夕方。来たんだよ、ボスが……!俺の病室にバームクーヘンを持ってな!」 社長……お見舞いに行ったんだ。 僕がチラリと社長を見ると、照れくさそうに頭を掻いている(地肌に直だけど)。 「俺は思わず叫んださ!ジーザス!ってな!それで直接聞いたんだ。俺と商品(カワイ子ちゃん)を助けてくれたボスにお礼がしたい、ボスはなにを望む?と。そうしたらその時、クックック……ヘイ!ボーイ&ガール!ボスはなんて言ったと思う?」 突然のクイズに僕とユリちゃんは顔を見合わせ首を傾げた。 基本社長はふざけている。 どうせまたヘンなことでも言ったんじゃないのかな? 「ボーイ&ガール、ボスがなんて言ったか当てたら……コイツをプレゼントだ!」 そう言って取り出したのは、迷彩模様のドレスを着たお姫様?のような小さな人形で背中にはマシンガンをしょっている。 お姫様なのに軍人? えぇ……あんなのほしがる人いるのかなぁ? なんて引いてたら、隣でおとなしく話を聞いていたユリちゃんが、 「あーっ!それ、ミリタリープリンセスですよね!」 と身を乗り出した。 ミリタリープリンセス? ナニそれ? 今そういうのが流行ってるの? 僕オッサンだからわからないよ。
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