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「ファウンド イット!ヘイヘイヘイ!ボス、そういうのアリか?」
ハッハー!と笑うキーマンさんは社長の胸元を指でグイグイと押していた。
ん……?
良く見ればナニアレ。
社長のジャケットの左側が不自然に膨れている、まさか。
「なんだよ、キーマーン!バラすなよなぁ!」
ニヤニヤ顔の社長が、バレちゃあしょうがねぇと、ジャケットの内ポケットから湯呑み茶碗を取り出した。
「ちょっと社長!そんなトコに隠さないでくださいよぉ。それじゃあ、社長が動くたびに場所変わっちゃうじゃないですかぁ」
脱力感でいっぱいの僕がブーブー文句を言うと、社長もムキになってやり返してきた。
「ばっ!おまえ、キーマンなんか、トラックの荷台に紛れた失せ物だって見つけたんだぞ?しかも高速道路走ってるのにだ!」
「だーかーらー、キーマンさんの神業と超初心者の僕を一緒にしないでくださいって」
僕と社長のぬるいバトルに次々と乱入者が増えていく。
「ボス、いくらなんでもやることがチャイルドすぎる」
「そうだよ、清水君!私はねぇ、湯呑みを隠してねと頼んだけど、清水君のポケットにとは言ってないでしょう!これじゃあわかりにくくて研修にならないよ!まったくこの子は昔からイタズラばっかり!」
「社長……だから昨日のランチでテンション高かったんですね。エイミーに見つけさせてやらね、とか言ってましたもんねぇ」
「社長!そんなコト言ってたんですか!?ひどい!ひどすぎる!パワハラで上席に訴えてやる!って、上席はこの人だったー!」
「へっ!バーカバーカ!引っ掛かるエイミーが悪いんだって、」
「悪いのはあんただ、ボス。今回ばかりは庇いきれない、」
「清水君はもう、34才にもなって子供みたいで、」
「私お腹空いちゃった、社長そろそろランチ、」
「と、とりあえず落ち着いて、」
「ぷーぷースヤァ、」
とっ散らかったぬるいバトルは延々と終わらないと思っていたのだけど、みんなの大声を上回るユリちゃんの腹の虫、「ギュルルルルルルルゥッ」と鳴り響いた豪快な空腹サウンドで、アッサリ収束を迎えた。
そのあと僕達は、腹ペコユリちゃんたっての希望で駅前の天丼屋さんで豪華ランチを頂きましたよっと。
もちろん、社長の奢りで!
霊媒師キーマン__了
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