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まずい!
また光の矢を撃つつもりだ!
広げた五指の先端が帯電し始め蒼く光っている。
冗談じゃない、いっぺんに5本なんて洒落にならない!
せめて大福だけでも逃げて…って大福!?
『ウゥゥゥゥゥゥゥゥ……!!』
一段と低い唸り声をあげる大福は、宙に浮かんだまま身を伏せて、モフモフのお尻を左右にフリフリさせている。
あれは猫が獲物に飛び掛かる寸前のモーションだ!
幽霊猫の目線の先は……
「大福、だめだ!」
瞬間、宙を蹴った大福は水渦さん目掛けて飛んだ。
「ぎゃっ!!」
幽霊猫から正面アタックを掛けられた水渦さんは、大福ごと部屋の中に倒れ、窓から姿を消した。
聞こえてくるのは、水渦さんの悲鳴と大福の唸り声。
大福が水渦さんを襲ってる!?
「社長!僕らも行きましょう!」
社長の返事も待たず、僕は3階へと走り出した。
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