第十二章 霊媒師 水渦ー1

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まずい! また光の矢を撃つつもりだ! 広げた五指の先端が帯電し始め蒼く光っている。 冗談じゃない、いっぺんに5本なんて洒落にならない! せめて大福だけでも逃げて…って大福!? 『ウゥゥゥゥゥゥゥゥ……!!』 一段と低い唸り声をあげる大福は、宙に浮かんだまま身を伏せて、モフモフのお尻を左右にフリフリさせている。 あれは猫が獲物に飛び掛かる寸前のモーションだ! 幽霊猫の目線の先は…… 「大福、だめだ!」 瞬間、宙を蹴った大福は水渦(みうず)さん目掛けて飛んだ。 「ぎゃっ!!」 幽霊猫から正面アタックを掛けられた水渦(みうず)さんは、大福ごと部屋の中に倒れ、窓から姿を消した。 聞こえてくるのは、水渦(みうず)さんの悲鳴と大福の唸り声。 大福が水渦(みうず)さんを襲ってる!? 「社長!僕らも行きましょう!」 社長の返事も待たず、僕は3階へと走り出した。
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