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『岡村さん、私の声は聞こえまか?』
『は、はい、聞こえます』
『では2人の声は?』
『き、聴こえます……!さっきとは比べ物にならないくらいハッキリと!』
『聴覚のリンクは確立しましたね。では私の姿は視えますか?それと2人の姿も』
『視えます!水渦さんはもちろんですが、2人の姿も!事務所の壁が消えました!まるで僕達も庭に出てきたみたいな感じです!というか、実はココ庭ですか?知らない間に外に出てきたとか?』
『視覚のリンクもOKですね。良かった、これで岡村さんも霊視の共犯で、怒られる時は一緒です。
それから注意してください。今、岡村さんの目に壁は見えていないでしょうが実際には存在します。私達は変わらず事務所内にいますので、庭だと思って突進すると壁にぶつかりケガをします。通常、社内でのケガは労災で保障されますが、霊視が原因では保障されないかもしれませんので』
『わ、わかりました。こんなにもハッキリ視えてしまうと、便利な反面注意が必要なんですね……だけど、こんなことが出来てしまう水渦さんはスゴイです!まさに霊視のプロです!』
『言い方に気を付けてください。霊視のプロなんて誰かに聞かれたら誤解されます。そんな事より早く2人を覗きましょう。岡村さんとのお喋りより、こっちがメインなのですから』
『そ、そうですね。けど……今更だけど、本当にこんなことしていいのかなぁ……?』
『良心の呵責に耐えられないなら、いつでも私の肩から手を離してください。そうすれば岡村さんは視えなくなります。さ、いつでもどうぞ?』
『いや……その……ごめんなさい。やっぱり霊視ます……』
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