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「ばっ!違ぇよ!そんなに遠回りじゃねぇよ!おまえは車運転しねぇからわからねぇんだ!……つかよ、誤解すんなよ?ユリを送ってたのは、本当に帰り道が心配なだけだったんだからな!」
上半身をぐぃんと捻り、後部座席に向けて必死の弁解。
はいはい、そうですよね。
帰り道が心配だったんですよね。
社長のその言葉にウソはないのだろう。
だけど、ちょっぴりイジワルをしたくなった僕は、あえて言葉少なに返事をするコトにした。
「ほお(ニヤニヤ)」
どうです?
この曖昧な返事とイラっとするにやけ顔。
真綿のプレッシャーがキツイでしょう?
ちなみにコレの参考モデルは水渦さんですよ。
「な、なんだよ!言っとくが、ユリの部屋に上がったりもしてねぇからな!アパートの玄関まで送って鍵かけたの確認したら、すぐに帰ってたしよ!まぁ、たまにメシは食ったけど当然、外メシだ!あ、あとスーパーに付き合ったコトがあったな。それだってユリだけで米とかジュースとか重たいモン買うのは大変だから荷物持ってやっただけだ!いたってクリーン!健全だ!」
お!
効いてる効いてる!
ツルッパゲに汗をかくほど動揺してるから、自分からいろいろ話し始めたよ!
おお、愉快愉快(水渦さん風)!
なるほどねぇ、2人でゴハン食べたりスーパーでお買い物までしてたんですねぇ。
ほうほう。
てか、そんなこと毎日されたら、そりゃユリちゃんも惚れるわー。
ニヤニヤニヤニヤ
「……なんだよ?なにさっきからニヤニヤしてんだよ?言いたいことがあるならハッキリ……!……いや、いい、やっぱ言わなくていいや。もうこの話は終わりだ! んじゃ、車出すぞ!ユリ、シートベルトしたか?よし、出発だ!」
ちょっと社長、後部座席の僕にもシートベルトしたか聞いてくださいよって、これ以上イジワルしたら怒られちゃうな。
今日のところは、この辺で勘弁してあげます。
いざ、社長のおうちへ!
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