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「久しぶりだな! 壱号、弐号、参号!」
額に汗を浮かべ、満面の笑みで声を掛ける社長。
壱号、弐号、参号、と呼ばれたゴリマッチョ3人は、それぞれ大きく頷いている。
切り株を依り代に電気で人形を形成した3人は、ほぼほぼ見分けがつかない。
社長をコピーしたゴリマッチョなスキンヘッドに、全員黒いジャージ上下を着用していた。
それぞれ2本線がアクセントに入っているが、壱号さんは赤ラメ、弐号さんは黄ラメ、参号さんは青ラメ。
元々社長は金ラメ黒ジャージをよく着ているから、たぶんオリジナルに寄せたファッションなのだろう。
「さっそくだが頼みてえコトがある。ちょっくら黄泉の国まで行って、藤田家の3人を呼んできてほしい」
社長の頼みに3人はガコガコと頷いた。
了解した、ということなのだろう。
声に出して返事をしないのは……できないからなのだと思う。
そう、3人には顔がないのだ。
本来あるべき、目もなければ口もない。
鼻はあるけど、鼻の穴は開いていなかった。
「じゃあ頼む。ウチのお客さんだからくれぐれも丁重にな」
そう言って片手を上げる社長に3人は一斉に親指を立て、
ヒュンッ!
と、風の音を残し、その姿を消した。
「いやあ、前置き長くて悪いな。俺の口寄せはジジィのやりかたとは違えんだよ。ジジィのが王道だ。だが、1度に呼べる人数は1人だけ。今回は藤田家3人、いっぺんに呼びたかったから、俺が口寄せすることにしたんだ。壱号、弐号、参号に頼めば、アイツらが抱えられる分だけ連れてこれるからよ。しばらく待っててくれ」
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