第十四章 霊媒師 ジャッキー

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少し気が楽になったところで、窓から外を眺めると大きなトラックが会社の前に停まるのが見えた。 車体には丸みのある文字で【ミケネコ運輸】と書かれ、その横には大福ほどではないけど、かわいらしい三毛猫のイラストが描かれている。 運転席から弾むように飛び出してきたのは、白黒茶色の三毛猫柄Tシャツを着た屈強なドライバーさん。 彼は荷台から小さなダンボールを持って会社敷地内へと入ってきた。 ピンポーン♪ インターホンが鳴るのと同時、「毎度ー! ミケネコ運輸でーす!」と元気な地声が、僕と水渦(みうず)さんのいる3階の研修室にまで聞こえてきた。 「おぅ! いつもご苦労さん!」 この声は社長だな。 声のデカさはミケネコドライバーさんに負けてない。 ほどなくして「またお願いしまーす!」という声とエンジンのかかる音がしてトラックは走り去っていった。 「なにか荷物が来たみたいですね」 「そのようですね」 なんの荷物かは知らないけど、そんな事より自分の指の可動域を広げるにはどうしたらいいだろうと、そっちの方が気になっていた。 ネットで調べてみようかな、なんてスマホを手にした時、社長のデカイ声が僕と水渦(みうず)さんを呼んだ。 「おーい! ミューズー! エイミー! 1階(した)の事務所に来てくれー!」 なんだろう? もしかしてオヤツの時間かな? それで僕にお茶を淹れてくれとかそんな感じ? それなら、ちょうどいい。 僕らも一緒に休憩しよう。 と、その時は呑気に考えていたのだ。
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