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生者と死者。
他の霊媒師が目視だけで判別できる幽霊を、僕は見分ける事ができない。
良すぎる目が、死者も生者と同じに映してしまうのが原因だ。
そんな僕は、生者と死者を見分ける為に放電をする。
相手が死者であれば、放った電流は僕と幽霊の両間を繋いで離さないからだ。
今までそうやって見分けてきた事をリーダーに告げると、
____せっかくだから、応用してみよっか。
と言う提案をいただいて、生者と死者の切り分け以外に使う事になったのだ。
初めての試みでうまくいくかどうかは分からない。
それでもやってみたいと思った。
失敗したって先輩霊媒師がカバーしてくれる、最後のOJTなんだもの。
こんなチャンスはもうないだろうしね。
ソフトボール大の電気の球が手の中で発光している。
溜めに溜めたエネルギーが飛散しないよう、細心の注意をはらう。
電気を溜める丸めた手のひらが、超高炭酸水に浸したように痺れ始めると、額にじんわりと汗が浮かび体温の上昇が始まった。
どうか上手くいきますように、どうか成功しますように……緊張からか、そう願えば願う程、僕の心臓は駆け出すように早まった。
更に電気を溜め続けると、手のひらが____いや、腕全体がビリビリと痺れガクガクと震えだした。
そろそろか……?
僕の霊力で支える事ができる電気量の限界が近い。
もう少し……あと少し……だけどここで欲張れば、せっかく溜めた電気を支えきれず無駄に飛散させてしまう危険性がある。
タイミングの見極めが難しい。
「くッ……!」
成長するエネルギーに押され、腕だけではなく上半身がブレ始めた。
もういいかな……?
どうかな……?
と迷っていると、
『エイミーさん! 今だよ!』
ジャッキーさんの声が脳内に響いた。
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