第十四章 霊媒師 ジャッキー

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そしてたっぷり10秒、無言の圧をかける。 「____万一、その説得に応じず、黒十字様、もしくは他の生者に害を成すとみなせば……その時は、この世にもあの世にも存在できぬようするまでの事、容赦はいたしません」 言い終えると共に、僕は顔から一切の表情を消した。 キ、キマッタか……? 本当は……ポ現犯の誰も滅したくはない。 生者に害を成すのは良くない事だけど、騒がしいだけで黒十字様やお母様を傷付けたりはしていないのだ。 どうしてこんな事をしたのか理由を聞いて、反省してくれるのなら成仏させてあげたいと思っている。 だけど……黒十字様への説明は、今ここにいる(・・・・・・)幽霊達も聞いているのだ。 甘い事を聞かせて増長させたくはない。 だからこそ、あえて厳しい事を口にした。 霊媒師に滅せられるかもしれない、これが脅しになって悪い事をやめてくれたら、それに越した事はない。 「隠れてる幽霊達ってのはどのくらいいるんだ……? この部屋に集めてるって事は俺の近くにも……いるのか……?」 毛布から顔だけを出し、しっかりデェニエルさんを抱き締めた黒十字様が、子犬のような目で僕を見る。 ああもう、めっちゃ怖がってるよ。 だが無理もない。 いくら霊媒師が3人も付いているとはいえ、鎖で釣り上げられた霊達は激しく荒ぶり、さっきから絶賛大暴れ中だもの。 黒十字様の目に霊達の姿は映らなくとも、音は聞こえちゃうんだから怖いよな。 もう少しだけ我慢してくださいね。 僕達、頑張りますから。
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