第十四章 霊媒師 ジャッキー

43/100
前へ
/2550ページ
次へ
『さて、早速ですが最初の質問です。あなた方は何故、黒十字邸でポルターガイストを起こしたのですか? また、最初に起こしたのは誰ですか? 最初からこの人数じゃないでしょう? キッカケの人物はどなたです?』 ジャッキーさんの質問に雛壇幽霊は一同顔を見合せざわつき出した。 こういう時、1番手に立つというのは中々どうしてハードルが高いものである。 誰が最初に答えるのかと壮絶な譲り合いの中、 シャキーン!! と挙手した幽霊(つわもの)が1人。 それは中列で起立する色白細身、ツインテールでセーラー服姿の……姿の?……えぇ!? オジサン……だった! 『何故と問われば答えましょう! 元はと言えば、そこいるピンクバンダー氏の誘いがあったから! ですぞ!』 おお! いきなり仲間を(だよね?)名指しだーーーッ! けどピンクバンダー氏って誰? 謎のネーミングの正体はすぐに知れた。 『わ、我輩!?』 最前列、慌てて中列に振り向いたのがピンクバンダー氏なのだろう……ってアンタかーい! 脂ぎった長髪にピンクのバンダナ。 水渦(みうず)さんに平謝りしてた40代幽霊じゃんかー! あの人、仲間内ではピンクバンダー氏って呼ばれてんのか……でもって一人称が『我輩』に変わってる。 さっきまでは『俺』だったのに……! 『た、確かに最初に(はく)の部屋に誘ったのは我輩だったかもしれない……けど! ムーンラビット氏もノリノリだったではござらんかーッ!』 唾を飛ばす勢いで立ち上がった40代幽霊改めピンクバンダー氏は、無駄に姿勢良く無駄に滑舌良くハキハキと声を張った。 んー、うん。 どうやらツインテセーラー服のオジサンの名前はムーンラビット氏らしい。 メンドクサッ!
/2550ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2367人が本棚に入れています
本棚に追加