第十四章 霊媒師 ジャッキー

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そうねぇ。 数か月に及ぶ共同生活は(無許可だけども)、聞いててスゴく楽しそうだと思ったけど、ここは黒十字様の家であり、黒十字様の部屋だからねぇ。 家主に迷惑かけたのがまずかった。 せめてポ現を起こさなければ、もう少しこのままでいれたかもしれないけれど……でもまぁ、オタク幽霊がこれだけの人数で集まったら、静かにしてろっていう方が難しいか、 …… ………… あれ…………? なんだろう、この違和感…… なにかが引っ掛かるなぁ…… 大事な事を見落としているような…… 「やはり、もう1人いるのですね」 ジャッキーさんのお菓子を食べ終えた水渦(みうず)さんの言った「もう1人」という言葉にハッとした。 そうだ、ピンクバンダー氏は確かに言っていた、 ____我ら総勢25人! と。 ここにいる幽霊のみなさんは全部で24人。 雛壇で並んでいただいた時、1列8人だったから間違いない。 足りない……あと1人って誰……? 「岡村さんが最後に取り逃がした幽霊ではないでしょうか? 私に『あと30秒、霊力(ちから)の延長を』と言っていたタイミングで、もう1人引っ掛かっていたでしょう?」 言い終えると共に、鋭い眼付でジャッキーさんに目配せをする水渦(みうず)さんは、リーダーの頷きを確認するとリュックから新しいお菓子を取り出し包みを開けた……って、お菓子のおかわりかい! 紛らわしいコトしないでくださいよ、まったく。 ああ、だけど思い出した。 最後の最後で鎖が引いてたんだよ。 引っ張る力は弱かったけど、あの鎖の先には誰かがいたんだ。 あれは一体……そしてその幽霊は今どこにいるのだろうか……?
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