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『みなさーん! 準備はいいですかー?』
大きな声で問いかけるのはジャッキーさんだ。
これから総勢25名、黄泉の国に送るのだが、ジャッキーさんと水渦さん、どちらが光る道を呼ぶのだろうか?
団体様分の道を通すのは容易ではないはずだ。
開通霊術を得意とする弥生さんがいてくれたら、このくらい軽いのだろうけど今はいない。
『これから黄泉の国に通ずる、光の道を呼びまーす!』
修学旅行中の先生のようなジャッキーさんが、大きく手を振り生徒達の注目を集めるとこう続けた。
『黄泉の国へ逝くには、これから呼ぶ光る道を真ーっすぐ進んでいってもらいまーす! 本当は1人につき1本呼ぶのが理想ですがー、ぶっちゃけ自分、25本も呼べませーん! そこで質問でーす! この中で亡くなって3年以内の幽霊、手を挙げてくださーい!』
挙手したのは片手にも満たない少人数。
ジャッキーさんは、その幽霊達をひとまとめにすると、そのまま待機を指示した。
『さてと、どうやって黄泉の国へ送ろうかな』
どうやら、顎に手をやり考え込んでいるジャッキーさんが光る道を通すようだ。
25人中、3年以内に亡くなったのは4人。
黄泉の国へと導いてくれる光る道、この道が死者を迎えにくるタイミングは、亡くなった直後とそこから3年間だけだ。
3年を超過すると光る道は来なくなり、自力での成仏が難しくなる。
迎えの来なくなった幽霊が成仏を望む時、僕らのような霊媒師に道を呼んでもらうか、もしくは3年以内に亡くなった別の霊に便乗するかのどちらかになる。
今回、4本分の光る道は確保できるが、全部で25人もいるのにそれで足りるのだろうか?
幽霊達を4グループに分けて縦一列で逝けばなんとかなるのかな?
『そうだねぇ、縦一列で4グループに分散させれば逝けない事もないよ。でも、それじゃあ面白くない。もっとこう楽しい道中にしたいんだ』
楽しい道中?
それって……ジャッキーさんはなにをするつもりなんだろう?
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