第十四章 霊媒師 ジャッキー

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◆ 黒十字様とオタク幽霊達の意思疎通がトンツーによって叶えられてから、彼らは大いに語り、共感し、議論し、白熱し、一気に距離を縮めていった。 「レキナの二次? ああ、それなら自由にやっていいと思うよ。本編であれだけ死にかけてるんだ。二次くらい無敵でもいいだろ?」 腕を組み、ウンウン頷きながら主張する黒十字様。 『くぅ! (はく)殿は小生と同意見ではござらんかぁ!』 そう言って、出てない涙を拭くフリをするムーンラビット氏は(話すと同時にトンツートンツーしてた)、サササササっと黒十字様の隣に移動する。 ついでに我らがリーダーも、その後ろに続く。 対し、相変わらず真っ向否定するピンクバンダー氏は、 『オヌシらまだ言うかーー! そんな二次創作は認めませんぞ! 設定に忠実である事が作者への敬意ではござらんかッ! 好き勝手は吾輩が許さんのでありますぅ!』 と大興奮だ(話すと同時にトンツー、ry)。 で、またもや設定に忠実に派と、自由でいいじゃないか派の熱血バトルが始まった。 ちょ……コレ、デジャブ……2ターン目。 初回と大きく違うのは、霊力皆無の黒十字様までもが参戦中って事だ。 …… ………… てか黒十字様、めっちゃ楽しそうだな。 絵里ちゃん含め総勢25人が同じ部屋に集まり、それぞれ壁や床を叩きまくっているのに、こんなにうるさいのに、怯えた様子はもはや微塵もない。 その音が持つ言葉の意味を、瞬時に理解し瞬時に答え、嬉々としてよく笑い、次から次へと尽きない話題に目を輝かせ楽しんでいる。 黒十字様の好きなモノ、好きな世界を共有できる人なら心を開く。 どうやら相手が幽霊であっても関係ないようだ。
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