第十四章 霊媒師 ジャッキー

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◆ 「なんでも好きなモノ使ってくれよ」 黒十字様からの、無制限お宝使用許可にテンションの上がるジャッキーさんが、小躍りしながらアイテムをチョイスする。 『黒十字様! コレ! コレがいいです! このガレージキットの中にあるコレを25……いや、24個ください!』 固定の笑顔でクルンッと振り向くジャッキーさんが両手でソレ(・・)を指さしている。 「そんなんでいいの? みんなが使うんだろう? 遠慮しないでなんでも好きなの選んでよ。それに、そのガレージキットの中身は全部俺の自作だから、よく見ると形も不揃いだろ。ソレ(・・)で本当いいのか?」 そう言ってポリポリと鼻の頭を掻く黒十字様にジャッキーさんは、 『いや、不揃いで当たり前ですよ。一体一体違うんだから。いやぁ、大したもんだ。このクオリティ! これレキナ第一話、戦国時代にタイムスリップしたシーンの再現ですよね? 黒十字様、こういうの仕事にしたらいかがです?』 と大絶賛だ。 「え!? こんな素人が作ったモノなんか誰も買わないよ! でも……もし、こういうのを仕事にできたら良いだろうなぁ……ま、まぁ、そんなの夢だよな!」 『夢は叶える為にある、と言いますよ? 最初から諦めたら叶う夢も叶いません。  ……さてと、コレ(・・)はここに置いといて、と。 では先程挙手してくださった、亡くなってから3年以内の4人はこちらに集合してくださーい』 ジャッキーさんの声掛けに4人の幽霊達が一歩前に出た。 その選ばれし幽霊達に向かって、こう続けた。 『いやぁ、どうもどうも。まず確認です。数週間に1回、みなさんの元に光る道が出現しますよね?』 『はい。いつもこの部屋まで、4本の道が定期的にやってきます。毎回視てるだけでやり過ごすのですが……アレに乗って先に進むとイベントが発生するんだろうなぁ、どうなるかやってみようかなぁと思ったけど、二度と部屋(ココ)に戻れない気がしてやらなかったんだ』 『なるほど……いやぁ、よくぞ温存してくれました、助かります! ではここで、4本の光る道を強制的に呼びましょう。さがって____』 トゥッ! 跳躍で飛び乗ったのは部屋の真ん中にあるパソコンモニター。 ブルーのライトが細かく明滅し、チカチカと目にうるさい。 幅の狭い足場に立つジャッキーさんは、片手をパー、片手をグーに握り、それを胸の前で重ねると一礼をした。 いよいよか……光る道を呼ぶのを視るのは、弥生さんの時以来だ。 あの時の弥生さん、すごくカッコ良かったな。 今回ジャッキーさんはどうやって呼ぶのだろう……?
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