第十四章 霊媒師 ジャッキー

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◆ 『さぁ! ここから急ピッチでいくよッ! 黒十字様、ソレ(・・)をココに!』 ジャッキーさんの指示に、黒十字様はガレージキットのソレ(・・)引っ掴むと床に向かってばらまいた。 同時、パソコンモニター上に立つジャッキーさんは超高速で印を結び始める。 水渦(みうず)さんから習った、失せ物探しの印とはまったく別のもので、それが何を意味するものなのか僕には全くわからない。 ただ、結ぶ印が重なれば重なる程、その手指は緑色に発光し、次第に大きく膨らんでいった。 『ヤマちゃんが5分と言ったら本当に5分だからね、急がないと!  黄泉の国、第98霊力(パワー)サーバーに告ぐ! IDナンバー:JKC19540407、パスワード:※※※※※(ピーーー)、我に霊力(ちから)を転送せよ! ココにある24体のレジンキャストに命を与え、ココにいる25人の善良な幽霊達を、安全に楽しく黄泉の国まで送れるだけの霊力をチョーダイ!  ハイッ、カモーーーーン!!』 ガバッと広げた脚と天に向けて伸ばした腕で、『来い来い来い来い!』と呪文のように繰り返すジャッキーさん。 第98霊力(パワー)サーバーとか転送とか、色々聞きたいコトは山盛りだけど、とりあえずはグッと我慢で見守るコト数秒。 遠くから微かな異音が聞こえてきた。 ____ゥゥゥゥゥゥン 『到着、』 ヴーーーーーーーーーーン、 ドンッ! 緑色の雷がジャッキーさんを直撃した。
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