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パソコンの青い光が、ジャッキーさんの放つ緑の光に呑み込まれた。
部屋全体、まるでライトアップされた森のようで、モノに溢れる乱雑さは生い茂る木々のように視える。
『キレイなのです……』
ムーンラビット氏に手を繋いでもらっている絵里ちゃんが、目をキラキラさせながら呟いた。
『気に入ってもらえたかな? だけどこんなモンじゃないよ? オジサン、お姫様の為に頑張っちゃうからね』
ジャッキーさんの“頑張る宣言”の直後、全長40センチのフィギュアがひときわ強く光を放った。
向かい合わせた両手首をくっつけて、花のように広げた手のひらからは、『アイヤーッ!』の気合を入るたびにシャボン玉のようなモノを出現させる。
不思議な光景だった。
ほんの数分で、乱雑な部屋の中が発光の森へと変わり、虹色に揺らめく透明の球体がふわりふわりと宙を漂っているのだ。
その光に照らされた絵里ちゃんと幽霊達の表情は明るい。
まるでみんなで手品でも視ているかのように弾んでいる。
短い滞空時間を終えたシャボン玉は次々と落ちては消えていく。
一つ消え、二つ消え、三つ消え、消えた分だけ光の粒が生まれ浮遊し、それは森の中を優しく飛ぶ蛍さながらだった。
『水渦さん、』
ジャッキーさんが目配せをする。
小さく頷いた先輩霊媒師は、閉じたままのカーテンを開け、横開きの窓を全開にした。
冷たい風が部屋の中に流れ込んできた刹那、遠い夜空から金色に光る大きな道が、ゆっくりとこちらに向かって伸びてくるのが視えた。
いよいよだ。
幽霊達は、あの道に乗って黄泉の国に逝く。
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