第十四章 霊媒師 ジャッキー

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『おっ、キレイにくっつけてくれたみたいで、大きくて良い道だ。それに時間もキッカリ5分。ヤマちゃんの仕事は丁寧で正確だよ。さて、こっちも最後の仕上げといこうか』 そう言ってジャッキーさんは、後ろを振り返る。 それまで宙を飛んでいたたくさんの蛍は、床の一点に集まりゆっくりと明滅していた。 『さぁ、起きる時間だよ。ココにいるお姫様と善良な幽霊達を、黄泉の国まで連れってってあげて!』 パチン、と指を鳴らした数瞬後。 レキナ第一話、戦国時代にタイムスリップした女子高生が、まさに戦の真っ只中に紛れ込んであばばばば! な、シーンの再現ガレージキットに無数あったレジンキャストに命が宿った。 ヒヒヒーンッ! 長けた霊術により、手のひらサイズだった戦馬は、実物大に姿を変えた。 見上げる程の体高は、少なくとも2メートルはありそうで、変化(へんげ)した順に窓から光る道へと歩を進めていった。 『うわぁ! お馬さんなのですぅ! 絵里、初めて本物見たのですぅ!』 大興奮で跳ねまわる絵里ちゃんの顔を、馬の尻尾がフッサーっと撫ぜると、『きゃー! ふわふわー! きもちー!』と、はしゃぎまくる9才児。 『ぬぉぉぉぉぉ! ガレージキットの戦馬がぁ! 1/1(1分の1)スケールにぃぃぃ!』 こちら、大きなお友達も大興奮で、馬の筋肉を一撫ですると『うっひょー! カチコチ! 鋼! 強そー!』と、はしゃぎまくる推定13才~40才児達。 みんなすごく楽しそうだ。 てか、無理もない。 僕もこんなにたくさんの馬を間近で視るのは初めてだから、もうなんかテンション上がっちゃうよ!
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