第十五章 霊媒師 打ち上げ、そして黄泉の国の話

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◆ 住宅街にある二階建ての一軒家。 門柱に埋め込まれた表札には【SHIMURA】と記されている。 くすんだベージュの外壁は、所々雨の跡が薄く残り、築年数の長さを感じるものの、玄関先に並ぶ色とりどりの鉢植えが目に華やかだった。 ココだ。 住所も合ってるし、表札も合っている。 ジャッキーさんの家に到着だ。 時間は……約束の時間、5分前か。 少し早いけどこれくらいなら大丈夫かな? インターホンを押すと柔らかな電子音のベルが鳴る。 程なくして開いたドアから、背の高い中年男性が顔を出した。 「いらっしゃい、よくきてくれたね。ココまで迷わなかった?」 あ……この声……! 現場で聞いてたジャッキーさんの声に間違いない! うわぁ、なんかスゴイぞ! 昨日までは、“この声=フィギュア姿のジャッキーさん”だったけど、今、目の前にいるこの男性こそが、本物のジャッキーさんなんだ……! そのビジュアルは、ジャッキーフィギュアと同じラフな七三分け、人の良さそうなタレ目と口元の笑いジワ。 でもって……えっと……それは私服……ですかね? フィギュアが身に着けていたものと、まったく同じデザインのカンフースーツを本人も着用中。 このクオリティ……相当熱烈なファンなんだろうなぁ。 だってもう、ぱっと見、ほとんどジャッキー〇ェンだもん。 マジリスペクトって感じだもん。
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