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ジャッキーさんの話はこうだった。
妹さんの一件以来、家の中の雰囲気は重く暗いものになってしまった。
息子と娘に気を遣うご両親と、無理に明るく振る舞う妹さん。
会話すらぎごちなく居たたまれない。
そんな中、ジャッキーさんはひたすら自分を責めた。
こんなケガをしなければ、家族に迷惑をかけずにすんだのに、仲の良い家族のままでいられたのに……と。
この悪状況をなんとかししたい。
いや、なんとかしなくてはならない。
そこで思いついたのが義足の購入だった。
本来、義足を付けるのは、もっと後の予定だった。
だが、のんびりしてたら家族が壊れてしまう。
切断した足はまだまだ痛むものの、そうも言っていられない。
決して安い買い物ではないけれど、今後の人生を考えれば絶対に必要な物なのだ。
ジャッキーさんは貯金をはたいて7桁近い金額で義足を手に入れた。
だが義足を装備したリハビリは想像を超える辛さだったという。
「リハビリがね本当にキツかった。歩行うんぬん以前に、装着部分がすごく痛むんだ。それでも頑張るしかなかったからね。呪文のように『ジャッキー〇ェンよりイージーモード』と呟きながら耐えたんだ。そのうち長時間でなければ、家の中を歩き回るくらいはできるようになったんだけど……あの時は嬉しかったなぁ。なんたって1人でトイレに行けるんだもの」
ジャッキーさん……笑いながら話してるけど相当頑張ったんだろうな。
「お風呂もね、どうにか1人で入れるようになったんだ。トイレと風呂を自己完結できるようになって、ようやく気持ちに余裕が出て、自分も家族も笑顔が戻ってきたの。それからも必死にリハビリして、手すりにつかまれば階段も登れるようになって……数か月ぶりに自分の部屋に戻れた時は、最高に気分が良かった!」
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