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「え……? なにこれ……?」
おそるおそる、金色の端に手をあてると、触れた部分がボウッと光り、じんわりと温かい。
直感でしかないが、悪いものではなさそうだ。
キラキラと輝く道のおかげで視界は明るくなった。
改めて下を見ると、思った以上に高さがある。
……
…………
………………これは、
この道を行けという事だろうか?
いきなり現れた謎の道。
人工的な物とは到底思えなかったが、いつまでも木の上にいる訳にもいかないし、いつあの地縛霊達が襲ってくるとも分からない。
怖くないといえば大嘘だ。
だが、考えてみろ。
足を失い、職を失い、生きがいを失った。
転職するも仕事は続かず、役立たずの穀潰しだ。
この道を進み、何か悪い事が起きても、困った事が一つ二つ増えるだけの事。
「行ってみるか……この道を進めばイベント発生だ、」
一歩、光る道に義足をかけた。
途端、常に鈍痛のある接合部分の痛みがやわらいだ。
更に一歩、もう一歩、進めば進む程、足の痛みは消え、慢性的な頭痛も消えた。
「これは……もしかして……歩くだけでHPを回復させる……リカバーロードじゃないの……!?」
やり込んだファンタジーゲームに、こんな道があった。
間違いない……!
だって、めちゃくちゃ体調良いもの!
足の痛みはもちろん、頭痛、腰痛、関節痛に眼精疲労、そういったものすべてが回復傾向にある!
うっひょーっ!
この感覚、まるで20代の頃みたいだ!
浮かれた自分は、もうなにも怖くないと光る坂道を全速力で登って行ったんだ。
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