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激しいパンダちゃんチェックを受けている間、この星がどんな所なのか、自由になる顔だけ動かし観察することにしたんだ。
パッと見渡す限り、人工的なモノはなにも無い。
生き物もパンダちゃんと自分以外には見当たらない。
もうね、ココは未開の地かってくらい、どれだけ見ても、ずーーーーっと延々大草原が広がってたの。
気候は暑くもなければ寒くもない、春のようなちょうどいいあんばいで、そんな陽気のせいなのか、草原にはたくさんの花が咲いていた。
大きな花に小さな花、どれもこれも見たことのないものばかりでね。
驚いたコトに花の色が時間で変わるんだ。
赤からピンク、ピンクから紫、紫から青……って感じに、少しずつじんわりと変わっていくの。
あれはきれいだったし、見ていておもしろかった。
あんな花が地球にもあったら、何色の花を買おうか迷う事もなくなるのになぁって思ったよ。
それにしても……ココは一体なんなんだろう?
光る道を走って走って、地球ではない星に辿り着いた。
おおかた夢でも見ているのだと思ったものの、頬を撫ぜる風も、パンダちゃんの獣臭い息もリアルすぎて夢の中とは考えにくい。
てことは、やっぱりコレは現実なのか?
もしかしてこのパンダちゃんは宇宙人なのか?
知らなかった、宇宙人ってパンダ型だったんだな……なんて、そんな事をニヤニヤしながら考えていたら、下から声が聞こえてきたんだ。
「※ψД€∀……! ΨσΘ……diffe……rent……Б∞……レξか?……チガ……コレだーーッ! オイッ、オマエッ! 聞こえるカ! ウチの言葉がワカルか!?」
最初はナニを言っているのか分からなかった。
どこの国の言葉でもない、聞いた事のない言語で話すその人は、一人でブツブツ呟いた後、突然日本語を話し始めたんだ。
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