第十五章 霊媒師 打ち上げ、そして黄泉の国の話

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◆ 「ははは……知らないうちに人生が終わってた、」 いくらなんでも急すぎだ。 事故にあったあの日から人生が急変した。 なにもかもがうまくいかなくて、毎日不安と焦りでいっぱいだった。 それでも死にたいとまでは思ってなかったのに。 どうしてこうなった? どこで間違えた? コンビニで酒なんか買わなければ……酔っぱらって廃ビルに入らなければ……屋上に上がらなければ……偽スタッフ達に絡まれなければ……そもそもカーアクションの仕事を断っていれば……そうだ、自分は人生の分岐をことごとく間違えたんだ。 家族には迷惑をかけてしまった。 それからスタッフ達にも。 あーあ…… 40才の誕生日でゲームオーバーかぁ。 リアルの人生に“トゥビーコンティニュー”のボタンはない。 納得できる死に方ではないけれど、ココで騒いでも女神とパンダちゃんに迷惑をかけるだけ。 これ以上誰かを困らせたくはない、うん……諦めが肝心だ。 それに……事故に遭うまでは、なかなかどうして良い人生だったと言える。 それでヨシとするしかない。 「…………こればっかりは仕方がないね。それで、もしかしてココは天国なのかい? こんなにキレイな所なんだ、きっとそうなんだろう。つかぬ事を聞くようだけど天国ってネット繋がる? 自分、ネットがないと……って、あーーーーーーーっ!!  パソコンーーーーーーッ!! ハードディスクの中身(あんなの)、もし家族に見られでもしたらあぁぁぁーーーーーーー!!」 部屋に残したパンドラの箱(パソコン)の今後の行方が、死んでしまったショックを吹き飛ばした。 そのくらいヤバイものがいっぱい入っているのだ。 もちろん犯罪にかかわるものではないけれど、変態の称号を頂くには十分なモノばかり。 ああ、クソッ! なんで妹に頼んでおかなかったんだ! 自分が死んだら、決して起動させる事なく金槌でぶっ叩き、さらには風呂に沈めて壊してくれと、どーーーして頼んでおかなかったんだあぁぁぁーーーーー!
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