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「オイ……ジャッキー、オマエ大丈夫か? 死んでしまってショックだろうが、ホレなんだ、そんなに落ち込むナ。ココもそんなに悪くないぞ」
女神、なんか誤解してるな。
でも優しい。
うん、そうだね。
今更言ってもどうにもならない。
ひとまずパソコンの事は忘れるよ。
「じゃ、コイツ、この巨大パンダを紹介するよ。名前はP・A・バラカス。システムの天才だ。通称“パンダ”、よろしくな!」
女神に紹介を受けたパンダちゃんは「キュゥン!」と鳴いて、大きな手をフリフリさせている。
「通称“パンダ”って、ははは! 見たまんまだな。バラカスって呼んでもいいかい?」
パンダちゃん改め、バラカスはコクコクと頷いた。
システムの天才なのか。
この大きな体で複雑なプログラムを組むとは……意外だな。
「バラカスは、地球やその他惑星にいる生命体が使う言語すべてを網羅してるんだ。そしてそのスキルを惜しみなく、みんなもに分けてくれてな」
とてつもない言語の数にならないか?
それにスキルを分けるって……どうやって?
「さっき、最初にジャッキーに会った時、ウチ、チャッカレイト星の言葉で喋ってただろ? ジャッキーに会うちょっと前まで、チャッカレイト星の死者と話してたからチューニングがチャッカレイトのままになっていたんだ」
チャッカレイト星の言葉と言われても、そんな星があるコトすら知らなかった。
というか、やっぱり宇宙人っていたんだな。
チャッカレイト星人って、どんなビジュアルなんだろう?
「次にジャッキーと会って、一言二言チャッカレイトの言葉が出たけど、すぐに日本語に変わっただろ? ジャッキーのメイン言語が地球の日本語であるとシステムが判断し、それと同時にチューニングが日本語に切り替わったんだ。システムは話し手のメイン言語を聞き手のメイン言語に変換してくれる。そりゃあもうスラングさえ忠実にな。2人以上の複数で会話をすれば話し手と聞き手は目まぐるしく入れ替わる。それでも聞き手の耳にはいつだって自分のメイン言語で届く、」
「ちょっと待ってくれ! 頭がこんがらがってきた!」
「そうか。じゃあ平たく言うぞ? ウチのメイン言語はイタリア語。ウチはチャッカレイト星人と話した時も、今こうしてジャッキーと話してる時も変わらずイタリア語で話してる。でもジャッキーの耳にはウチが流暢な日本語を話してるように聞こえるだろ? 逆も然り。日本語で話してるジャッキーの言葉はウチの耳にはイタリア語で聞こえてるんだ」
「え……そうなの? さっきから普通に日本語で会話してるのに? 女神はイタリア語で話してたって言うのか?」
「……女神ってウチのコト? まぁいいや。そうだ、ようやく理解できたか! この瞬時通訳システムを作ったのがバラカスなんだよ!」
マジかーーー!!
バラカス天才じゃないか!!
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