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「すごいな! 仕組みはどうなっているんだ? ま、聞いた所で理解できないだろうけど。こんなシステムが地球にもあれば、苦労して英語の授業を受けなくてよかったのに!」
興奮したよ。
本当は女神はイタリア語を話してて、なのに自分の耳には日本語で届く。
そんなコトになってたなんて、まったく気付かなかったんだ。
だって、女神の発音も言い回しも比喩もなにもかも、生まれてこの方、日本から出たコトありませーんってくらい、バリバリの日本語だったんだからさ。
女神に聞いたら、彼女の耳にも自分のイタリア語は自然に聞こえるらしく、近所の兄ちゃんと話してるくらいの感覚だったらしい。
見た目はあんなにかわいいパンダちゃんなのに、えげつない程の鬼スキルに逆に笑ってしまったよ。
「この技術はそのうち地球にも出回るのかな?」
ワクワクしながらバラカスにそう聞くと、
「キュゥ? キュキュキュキュゥン、キュルンキュルン、キュキュキュキュキュ。キュエェ!」
え?
なんて言ってるの?
というか女神談によるとバラカスは、あらゆる星の言語を網羅してんじゃなかったっけ?
翻訳システム作った本パンだし。
なんでキュウキュウしか言わないんだよ。
「ああ、バラカスな。コイツはカワイイ顔してとんでもなく毒舌なんだ。悪気はないんだが、よくトラブルになっちまう。だからあえてキュゥキュゥ言って話せないフリをしてるんだ」
と女神。
へ、へぇ、バラカスって毒舌なのか。
となると、さっきはなんて言ってたんだろう……?
「ちなみにさっき言ってたのは、『はぁ? 今の地球人ごときに俺のシステムが造れる訳ねぇだろ、あと百年くらい寝ずに努力すりゃあ、オモチャ程度のモンは造れるかもしれねぇけどな。ケケケッ!』だ」
「口悪……」
「だろ?」
肩をすくめる女神と一緒にバラカスを見ると、小首を傾げて「キュルン!」と一声短く鳴いた。
うーん、やっぱりかわいいなぁと思った自分の隣では「バラカス! 言いすぎだ!」とたしなめる女神がいた。
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