第十五章 霊媒師 打ち上げ、そして黄泉の国の話

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◆ なにもない大草原から、街への移動は陣を使った。 女神に連れられて、草原を歩くコト体感時間で約5分。 そこだけ草も花も生えておらず、中心の六芒星を丸く囲む複雑な図形が緑色に発光し続けていた。 「こりゃまた……オタク心を刺激しまくるねぇ」 ニヤニヤが止まらない。 ヒッキーでありオタクでありゲーマーでもある自分にとって、魔法陣とは馴染み深いモノである。 モニターでしか見た事のない魔法陣が、目の前に現れたとなっちゃテンションも上がらざるを得ない。 「移動の為の魔法陣だ。これはダーマン星の魔族の職人達が、長い年月をかけてあらゆる場所に設置してくれたんだ。それまでの移動手段は個人で行う瞬間移動だったが、それだと知らない場所には移動できないからな」 瞬間移動!? ハイ出ました! またもやオタク心を刺激するワードですよ! 「ちょっと待って、聞き捨てならない。個人で行う瞬間移動って、死ぬとそんなコトが可能になるの?」 「ああ可能だ。ただし、行ったコトのある場所でないとダメ。目的地を思い浮かべ、そこに行きたいと強く願うんだ。そうすれば行ける。ただし記憶が曖昧だったり、途中で誰かに話しかけられると、別の場所に飛ばされちゃうから、移動は魔法陣の方が楽で確実なんだよ」 どうやら冗談ではなさそうだ。 近いうち瞬間移動のやり方を教えてもらおう。 その時までに、なにかカッコイイ決めポーズを考えておかなくては。 「んじゃ、行くぞー」 女神に声をかけられて、バラカスに続いて魔法陣へと移動した。 ドキドキする。 自分はもう、初めてジェットコースターに乗り込む子供のような心境だった。 「街へ」と一言女神が呟くと、途端、光が強くなり身体が溶けるような不思議な感覚に包まれていった。
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