第十五章 霊媒師 打ち上げ、そして黄泉の国の話

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待つしかできない時間とは、ひどく長く感じるものだ。 女神は何かを言おうとしては黙り、それを何度も繰り返していた。 もしかしたら、“やっぱり答えたくない”と言い出すかもしれない。 だがそれも一つの答えであり、今こうして自分の事を考えてくれている事が嬉しかった。 女神の気持ちならなんでも知りたいと思う。 教えてくれるというのなら、いつまででも待つつもりでいた。 望んでた答えは突然だった。 まだ時間がかかるだろうと、空を見上げたその時「ウチも……好き……」と消え入りそうな声を聞いた。 一瞬耳を疑ったものの、拗ねたように頬を染める女神を見て本当なのだと実感した。 途端、腹の真ん中からくすぐったいような甘い感覚が広がって、人を好きになり、その人に好かれるという事は、こんなにも幸せな事なのだと改めて感じさせられた。 今ならすべてを許せそうな気がする。 爆薬の量を間違えたスタッフも、もがいていた過去の自分も。 ああ、これからこの()を大事にしよう。 せっかく好きと言ってくれたんだ。 絶対に壊したくない。 一度手にした大事な物を失うのは、もうこりごりだ。 「ありがとう。すごく嬉しいよ、飛び上がりたいほど幸せだ」 頬を撫で、手のひらで包んでやると、女神の髪はルビー色に瞬いた。 優しくて綺麗で可愛い子。 夢みたいだ、夢なら永遠に覚めないでくれ。 若い女の子が年の差も気にせずに、こんなオジサンを好きになってくれるなんて、本当にしあ…… …… ………… そういえば……女神の年をちゃんと聞いていなかった。 この()は今いくつなんだ?
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