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「ウチの年? それは死んだ時のでいいのかな? ウチが死んだのは17才の時だよ。死んでからは、」
「ジュウナナッ!? 女神、17才なの!?」
思わず起き上がり、女神の顔をまじまじと見る。
そんな自分に不安そうな女神も、ノロノロと起き上がった。
嘘だろ……?
若いとは感じてた。
時々、子供みたいな表情をするとも思っていたが……本当に子供じゃないか。
大人びた見た目から、少なくとも二十代だと思ってたのに。
「17って言っても、死んだの時の話だよ。それから15年経ってるから、生きてたら32才だ。ジャッキーとそんなに変わらない」
そりゃ生きてたら32才だろうけど……
言われてみれば、パンツが見えて人を蹴る二十代なんていないよな。
どうして気付かなかったんだ。
「女神……すまない、そうと知っていれば、あんなコトはしなかった、」
「あんなコトって……そんな言い方……
ウチ、17だけど17じゃない。生きてたら32才なんだってば」
「そうかもしれない、けど……女神の年は止まってる。17才はまだ子供だ。大人の自分が、もっとしっかりするべきだった」
「待って!」と、小さな手がシャツを掴む。
それを上から包み込み、前に押しやり2人の間に距離をとろうとした。
だが女神はそれを拒んだ。
置いていかれる子供のように、必死に胸にすがりつく。
「なんだよ……さっきから17、17って、そればっかり、生きてたら32才だ、それじゃあダメなの? ウチはとっくに死んじゃってるから、ちゃんとした32才にはなれないよ。今更どう頑張ればいいの? ジャッキは大人なんだろう? 教えてよ…ウチ、どうしていいかわかんない……」
それきり女神は黙ってしまった。
難しいな。
黄泉の国に来たばかりの自分は、死者の事がよく分からない。
大人びてはいるものの、少女の見た目で32才と言われても、どうもピンとこないんだ。
好きだからこそ、その数字に躊躇した。
傷付ける訳にはいかないと思った。
だけどかえって傷付けた。
17才で死んでしまったのは女神のせいじゃないのに。
無神経だった、大人が聞いて呆れるよ。
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