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髪を撫で頬を包み、そのおでこにキスをすると、泣いた顔は月のように笑ってくれた。
この笑顔も泣いた顔も怒った顔も、すべてが尊く眩しく感じる。
空が閃光に瞬いた。
それはまるで夕立のようだった。
流星が絶え間なく降りてきて、漆黒の夜空には数多の輝線が跡を残す。
幻想的な天空の雨模様。
キレイ……と呟く横顔に手を伸ばし、愛しい女を大地の上にそっと倒す。
何が起きたのか分かっていないのだろう。
女神は不思議な顔で自分を見てる。
扇に広がる豊かな髪の、そこもまた流星の雨が降り続いていた。
「どうしようもなく好きだ、」
そうだ、最初から抗えない、
自分はアナタに逢う為に死んだんだ、
「ウチも……好き」
「アナタのすべてが好きだ」
瞬く髪も、二色の瞳も、強烈な磁力も、
「うん……うん、」
「好きで好きでたまらない。アナタは自分の女神さまだ」
好きな気持ちを抑えない、絶対誰にも渡したくない、
「ウチは……女神じゃないよ、ただジャッキーに恋をしただけ」
「ああ、強く抱きしめたいよ。でもね、怖いんだ。アナタを傷つけてしまうかもしれない。だから逃げるなら今逃げてくれ」
「逃げないよ、」
その時見たのは女神の澄んだ瞳だった。
金と青の淡い光が、優しく自分を見つめている。
細い腕が首の後ろに絡みつき、
二人の心臓が一つになるのを願いながら、
唇を重ねると、それは蜂蜜よりも甘く、泣きたいくらいにあたたかかった。
頭の芯からクラクラした、
愛しくて愛しくて、
好きで好きでたまらない。
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