第十五章 霊媒師 打ち上げ、そして黄泉の国の話

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髪を撫で頬を包み、そのおでこにキスをすると、泣いた顔は月のように笑ってくれた。 この笑顔も泣いた顔も怒った顔も、すべてが尊く眩しく感じる。 空が閃光に瞬いた。 それはまるで夕立のようだった。 流星が絶え間なく降りてきて、漆黒の夜空には数多の輝線が跡を残す。 幻想的な天空の雨模様。 キレイ……と呟く横顔に手を伸ばし、愛しい女を大地の上にそっと倒す。 何が起きたのか分かっていないのだろう。 女神は不思議な顔で自分を見てる。 扇に広がる豊かな髪の、そこもまた流星の雨が降り続いていた。 「どうしようもなく好きだ、」 そうだ、最初から抗えない、 自分はアナタに逢う為に死んだんだ、 「ウチも……好き」 「アナタのすべてが好きだ」 瞬く髪も、二色の瞳も、強烈な磁力も、 「うん……うん、」 「好きで好きでたまらない。アナタは自分の女神さまだ」 好きな気持ちを抑えない、絶対誰にも渡したくない、 「ウチは……女神じゃないよ、ただジャッキーに恋をしただけ」 「ああ、強く抱きしめたいよ。でもね、怖いんだ。アナタを傷つけてしまうかもしれない。だから逃げるなら今逃げてくれ」 「逃げないよ、」 その時見たのは女神の澄んだ瞳だった。 金と青の淡い光が、優しく自分を見つめている。 細い腕が首の後ろに絡みつき、 二人の心臓が一つになるのを願いながら、 唇を重ねると、それは蜂蜜よりも甘く、泣きたいくらいにあたたかかった。 頭の芯からクラクラした、 愛しくて愛しくて、 好きで好きでたまらない。
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