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「ジャッキ、おはよ……ウチ、寝ちゃったんだ」
ああ、愛しい。
半分寝ぼけた顔をして、はにかんで笑うマジョリカにどうにかなりそうだった。
「良く眠っていたよ。地面に寝て身体は辛くない? 痛む所や気分が悪いとかない?」
いくら草原でも細い身体じゃ、身体が痛くなりそうだ。
「ん、ダイジョウブだよ。ココは黄泉の国だもん。回復力は生者の頃とは違うんだ」
そうか、そうだった。
ああ、ここが黄泉の国で本当に良かった。
「ジャッキーも少しは寝たのか?」
見上げるおでこにキスをして「いや、」と答えると、
「眠くないのか? ウチ、どのくらい寝てた? おなかすいたか?」
と矢継ぎ早に聞いてくる。
「そんなに一度に質問されたら答えるのも大変だな。まず眠くはないよ。生きていたココ数年、この時間はいつも起きていたからね。マジョリカはどのくらい寝てただろう? 5分か……それとも1時間か……寝ても起きても可愛いからどっちでも見てて飽きない。それと、おなかは……どうかな? 胸がいっぱいでよくわからないや」
まだ夜は明けていない。
何時なのかは時計がないからわからない……が、マジョリカといられるなら時間なんかどうでもいいとさえ思ってしまう。
「ん?」と見上げるマジョリカの髪に、おでこに、鼻に、唇に、何度も何度もキスをして、「なんでもないよ」とギュッと抱きしめた。
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