第十五章 霊媒師 打ち上げ、そして黄泉の国の話

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★★こんばんは、たまこです(*´ω`*) いつも霊媒師を読んで頂いてありがとうございます。 ジャッキー黄泉の国編、だいぶ長くなってしまい、お付き合いいただいてる皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。個別にお礼に伺えなくて申し訳ありません。さて、黄泉の国編もラストに向かっているのですが(遅いです、ごめんなさい)、下書きに溜まっているページ数はやや多めです。このまま2日に1度のペースの更新だと時間がかかると思い、黄泉の国編に限り毎日更新にさせて頂きます。皆様には無理のない範囲でお付き合い頂ければと思います。本編の前にこのようなご挨拶をさせて頂いたのは、ここが一番目につくかなぁと思い、割り込ませて頂きました。 寒暖の差が激しいですが、皆様体調に気をつけてゴハンをいっぱい食べてご自愛くださいませ。長文、大変失礼致しました。 以下本編! ↓ マジョリカの細い指にはやはりサイズが合わなかった。 親指でもブカブカで、手を下げたらすり落ちてしまう。 それでもマジョリカは大きな目を更に見開き、薬指に着けた安物のリングを嬉しそうに眺めていた。 「自分があげられるものと言ったら、今、これしかないんだ。でもね、ずっと大事にしてきたリングなの。マジョリカが着けてくれたら嬉しいんだけど……さすがにこれじゃあ無理か。このチェーンも一緒にあげよう。首からかけるといい」 さっそくチェーンにリングを通そうと手を出したら、 「ヤダ! 指に着けるの!」 と言って聞かない。 リングのついた左の薬指を胸に抱き、「指じゃなきゃヤダ!」と駄々をこね始めた。 あらら、ほっぺた赤くしちゃって。 可愛い、誰のカノジョだ? って自分のか。 幸せだ、死んで良かった。 しかし、どうしたものか。 そのサイズじゃすぐに失くしてしまう。 「うーん、困ったなぁ……あ、そうだ、マジョリカはリングのサイズ直せないの? こう指でパチンってさ」 「………………できる」 え、できるの? なら直せばいいじゃない。 「じゃあ、サイズ直しはマジョリカにまかせるよ」 って言ったのに。 マジョリカは困った顔で固まって、 「…………ヤダ、ジャッキーの大事なリングなのに、ウチが手を加えたくない」 しょんぼりと肩を落としている。 「や、でも直さないと着けられないよ?」 マジョリカでさえ手を加えたくないと言うのなら、街に行って直してもらう事も拒否するんだろうなぁ。 どうすればいいんだろうと思っていたら、マジョリカはとんでもないコトを言い出した。 「ジャッキーが直してよ、ウチが手を加えるのはヤダけど、ジャッキーが直すならいい」 「えぇ!? 自分が!? できないよ、って、違うな。できないんじゃなくて、やるんだよ。愛しい女が鼻水垂らして泣いてるんだ。オジサン頑張らないと」 もちろん鼻など垂れてはないのだが、ついつい、からかいたくなってしまうのだ。 横にした人差し指を、小さな鼻にあてがうと、 「ウチ鼻水垂らしてないし!」 マジョリカは可愛らしく地団駄を踏んだ。
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